請求書作成ソフトは個人事業主にどれ?無料枠と料金で比較

請求書作成ソフトは個人事業主にどれ?無料枠と料金で比較

月末になると、エクセルの請求書テンプレートで日付と金額だけを直す個人事業主は多いはずです。

ところが、明細ごとに消費税の端数を丸めて合計する方法は、適格請求書の要件を満たしません。消費税額等の端数処理は、一の適格請求書につき税率ごとに1回と決まっているためです(出典:国税庁 問57)。

インボイス登録済みの適格請求書発行事業者が前提です。ソフトに移す価値は、端数処理を固定できること、控えを検索できること、毎月同じ請求書を自動作成できることです。

月5〜20枚・取引先3〜8社を前提に、主要4ソフトの年額で比較します。

先に結論だけ出しておきます。

  • 弥生で確定申告しているなら Misoca
  • 会計ソフトが未導入なら freee請求書(無料・発行枚数無制限)
  • 会計ソフトを変えず無料で完結させたいなら INVOY
この記事でわかること
  • 主要4ソフトの無料枠と年額を税込にそろえた比較
  • 会計ソフトまで含めた年間総額と、3年で見たときの差
  • 端数処理と源泉徴収の設定場所、1通目で検算する手順
  • いまの状況を当てはめると選ぶ1本が決まる分岐表
目次

主要4ソフトの無料枠と料金を比較

相談者

無料で使えるソフトはどれですか?

編集長

Misoca・freee請求書・INVOYの3つです。マネーフォワードだけ無料プランがありません。

無料プランがあるのはMisoca・freee請求書・INVOYの3つです。マネーフォワード クラウド請求書だけ無料プランがなく、無料トライアル後は有料に移ります。

並べる基準は3つに絞りました。無料枠がどこで切れるか、毎月の手間が減るか、会計連携と控えの持ち出しに困らないかです。

各社の公式ページを2026年9月8日に確認しました。公式に税込表示がある金額はそのまま使い、税抜表示のみの金額は税抜のまま比較しています(独自の税込換算はしていません)。

ソフト無料で出せる件数いちばん安い有料プランの年額会計連携上限を超えたとき
Misoca(弥生)月10通までプラン15 8,800円(税抜)※初年度無償弥生の会計ソフト、freee、MFへ仕訳連携無料プランは10通で頭打ち。プラン15以上は1通70円(税抜)で1,000通まで追加発行
freee請求書発行枚数・期間とも無制限スタンダード 23,760円(税抜)freee会計通数の上限なし
マネーフォワード クラウド請求書無料プランなし(無料トライアルあり。期間は公式サイトで確認)パーソナルミニ 11,880円(税込)※確定申告や経費も含む共通プランの金額マネーフォワード クラウドの同シリーズ取引先が一定数を超えるとパーソナル 16,896円(税込)
INVOY件数の上限は公式に記載なしStandard 9,800円(税込・税抜約8,909円)※請求書の作成と発行は無料で完結弥生会計、freee、MF向けのCSV出力通数の上限なし

金額はいずれも年払いの年額です。出典は各社の料金ページ(弥生 Misocafreee請求書マネーフォワード クラウド請求書INVOY)です。以降の表もこの4ページと各社ヘルプで確認した値です。

比較対象は、日本語の公式ページで料金と無料枠の両方を確認できた4製品に絞りました。

boardは無料プランがなく無料枠の列が埋まらないため、Zoho Invoiceは日本語ページで有料プラン金額を確認できないため外しています。弥生の「やよいの見積・納品・請求書」はインストール型のため対象外です。

INVOYのStandardは、増える機能が口座自動連携と資金繰り表の2つだけです。請求書の用途では有料に上げる理由がないため、Misocaのプラン15と同じ「有料プランの年額」の列に並んでいても、意味あいは違います

無料の線がどこに引かれるか

線の引き方は3製品それぞれ違います。Misocaは月10通という通数、freee請求書は利用人数(無料は1〜3人)、INVOYは口座自動連携と資金繰り表という機能で区切られています。

マネーフォワードは無料トライアル終了後、有料プランへ自動で移ることはないと公式ページに記載があります。使い続けるならパーソナルミニ以上を選ぶ形です。

月5〜20枚という前提なら、通数で切られるMisocaだけが枠の境界に触れます

通数以外に上限がかかる項目

無料で始めるとき、通数の次に手が止まるのは送り方です。公式の料金ページとヘルプで確認できた範囲を並べました。

項目Misocafreee請求書マネーフォワードINVOY
テンプレート・ロゴ印影画像・会社ロゴの挿入に対応無料でも帳票テンプレート40種類以上帳票設定画面でロゴ画像を登録料金ページに記載を確認できず
メール送付全プランがメール送付の対象個別発行は全プラン0円。一括はスタンダード以上一括メール送信はミニで利用不可メールでの共有に対応
郵送代行無料プランは対象外。プラン15以上で210円(税抜)/通、納品書同封は30円(税抜)追加一括はスタンダード以上で、送信料金(一括発行)4,750円/月からが別建て。単発郵送は比較表に行がない料金は公式サイトで確認が必要(税抜表示のみ)。一括郵送はミニで利用不可、1通ずつならミニでも可「別途費用がかかります」の記載のみで、金額とプラン条件を確認できず
取引先の登録数比較表に行がない比較表に行がないミニは登録数に上限あり、パーソナル以上は無制限記載を確認できず
会計連携弥生・freee・MFへ仕訳連携freee会計と連携同シリーズの確定申告などと連携3社向けのCSVフォーマット出力

無料プランのまま郵送代行を頼める製品は、今回の確認では見つかりませんでした。紙の取引先が毎月複数あるなら、Misocaのプラン15かマネーフォワードのミニが現実的な候補になります。

見積書や納品書もまとめて作りたい場合、Misocaは見積・納品・請求書の3種類に対応します。freee請求書は無料プランでも見積書・納品書・発注書・領収書を含む40種類以上のテンプレートを使えます。

入金の管理については、Misocaがアプリで入金ステータスを確認できると案内しています。

なお、Misocaの無料プランのサポートはWeb FAQのみで、電話・メール・チャットは対象外です。調べれば分かる範囲で進められるなら、無料のままでも困りません。

外出先で発行するならアプリの有無を見る

Misocaは専用アプリでiPhoneとAndroidに対応しています。見積書・納品書・請求書の作成や入金ステータスの確認ができると案内しています。freee請求書もスマホアプリを提供しており、保存した請求書を選んでそのまま送付できます。

INVOYは専用アプリではなく、スマートフォンのブラウザから帳票の作成と発行をする形です。移動が多い仕事なら、この差は月に何度も実感する部分になります

無料のままどこまで使えるか

相談者

無料のままだと何通まで出せますか?

編集長

Misocaは月10通までです。freee請求書とINVOYは通数の上限がありません。

無料のまま出せるのは、Misocaが月10通まで、freee請求書は発行枚数・期間とも無制限、INVOYは件数の上限の記載がありません。マネーフォワードには無料プランがないため、この比較には入りません。

注意したいのはMisocaの超過です。1通70円(税抜)の追加発行はプラン15以上の話で、無料プランは10通で発行が止まります。

年間の総額を4パターンで試算する

弥生の料金ページにある3つの数字、無料は月10通まで、プラン15は年8,800円(税抜)で月15通まで、超過分は1通70円(税抜)で1,000通まで。これだけで年間の負担額は計算できます。

月の発行枚数Misoca 無料Misoca プラン15(初年度/次年度以降)freee請求書 無料INVOY 無料
5通0円0円/8,800円0円0円
10通0円(枠ちょうど)0円/8,800円0円0円
15通10通で上限に達する0円/8,800円0円0円
20通同上超過分のみ/13,000円(8,800円+超過5通×70円×12か月)0円0円

金額は税抜で、超過分は公式の単価をもとにした単純計算です。初年度が0円なのは弥生のキャンペーンによるもので、超過分の扱いは公式に記載を確認できませんでした。

金額だけで見るなら、freee請求書とINVOYの無料プランがどの枚数でも0円で並びます。それでもMisocaを選ぶ理由は金額ではなく、弥生の会計ソフトへ仕訳が流れることと、プラン15が初年度無償になることです。

無料から有料に上がるきっかけは製品で違う

「ずっと無料で使える」と言い切れるソフトはありません。どこで課金が始まるかは、製品ごとにはっきり分かれています。

ソフト無料から有料に上がる分岐点
Misoca月11通目。郵送代行を頼みたいとき。電話・メール・チャットのサポートを使いたいとき
freee請求書定期請求の2件目。一括のメール送付・郵送代行を使いたいとき
マネーフォワード無料プランがないため、トライアルが終わった時点
INVOY口座自動連携と資金繰り表を使いたいとき

裏返せば、この分岐点に触れないうちは無料のままで足ります。逆に、毎月同じ請求書を手で作り直しているなら、通数が枠内でも自動化のために有料へ上がる価値があります。

会計込みの年間総額で比べる

相談者

請求書ソフトの料金だけで決めてもよいのでしょうか?

編集長

確定申告まで含めた年額で比べてください。初年度は弥生系列が0円になります。

請求書サービス単体の値段を比べても、実際に払う金額とは合いません。確定申告まで含めた1年間の支払総額が、判断すべき数字です。

道具を増やしすぎていないか気になる段階なら、当サイトの一人社長が業務効率化を実現するアイデアもあわせて確認すると、機能の重複を避けられます。

系列会計ソフトの年額(税込・税抜)請求書側の扱い初年度の合計次年度以降の合計
弥生やよいの青色申告 オンライン セルフ 11,800円(税抜)Misocaは別サービス。無料10通、またはプラン15 8,800円(税抜)0円(会計セルフもプラン15も初年度無償)11,800円(Misocaは無料枠のまま)
freeefreee会計 スターター 11,760円(税抜)freee請求書の無料プランを併用11,760円11,760円
マネーフォワードパーソナルミニ 11,880円(税込)共通プランに請求書機能を含む11,880円11,880円

出典は弥生 やよいの青色申告 オンライン 料金プランfreee 個人事業主向け料金プランです。

弥生の初年度無償は、会計が2027年3月15日、Misocaが2027年3月31日までの申し込みが条件です。口座振替またはクレジットカードでの自動更新登録が条件で、1事業者につき1回だけ適用されます。

金額はいずれも年払いです。月払いを選ぶとfreee会計スターターは年21,360円(税抜)になります。マネーフォワードのミニも月払いだと年払いより割高になるため、表の額では契約できません。

なお、freee請求書のスタンダードとfreee会計のスタンダードは別サービスの別契約で、年額が同じだけです。

初年度は弥生系列が0円でいちばん安く、次年度以降はマネーフォワードのパーソナルミニ11,880円が下限になります。初年度で見た差は最大11,880円、次年度以降の3系列の差は約1,000円です。

ただしミニは取引先の登録数に上限があり、毎月自動作成と一括メール送信が使えません。取引先が上限を超えるか自動作成を使うなら、パーソナルの16,896円が実質の比較対象です。

初年度をならして3年で見る

キャンペーンは1年で終わるため、初年度だけを見ると判断を誤ります。公式の年額と適用条件から、3年ぶんの支払総額を計算しました。

系列1年目2年目3年目3年合計
弥生(会計セルフ+Misoca無料)0円11,800円11,800円23,600円
freee(会計スターター+請求書無料)11,760円11,760円11,760円35,280円
マネーフォワード(パーソナルミニ)11,880円11,880円11,880円35,640円
会計ソフトを使わない(freee請求書またはINVOYの無料)0円0円0円0円

3年で見ても弥生系列が1万円前後安く残ります。会計ソフトをまだ入れていないなら、請求書だけ無料で回して確定申告の時期に考える選択も成り立ちます。

毎月同じ請求書を自動で出せるか

相談者

毎月同じ金額の請求書も、手で作り直すしかないのですか?

編集長

定期請求で自動化できます。無料ならINVOY、freee請求書は1件までです。

定期請求を無料のまま使えるのは、INVOYとfreee請求書(1件まで)です。マネーフォワードは毎月自動作成がミニで使えません。Misocaは料金ページの機能比較表に自動作成予約の行がないため、無料プランでの可否を確認できませんでした。

顧問料や保守料のように金額が変わらない請求は、そもそも人が作る必要がありません。この列は比較サイトの表にほとんど載らないのに、毎月の手間には最も効きます。

ソフト定期請求・自動作成予約無料プランで使えるか自動でメール送信まで
Misocaあり(毎月、2・3・6・12か月ごと)料金ページの比較表に行がない機能ページに「請求書の自動作成予約、自動メール送信」の記載
freee請求書「定期請求/自動作成」あり無料は1件まで、スタンダード以上は無制限一括のメール送付は無料の対象外
マネーフォワード「毎月自動作成」あり無料プランがなく、ミニでも利用不可一括メール送信はミニで利用不可
INVOYあり(定期的に送る請求書を繰り返し作成)無料の機能一覧に含まれる記載を確認できず

取引先8社に毎月1通ずつなら年間96通です。仮にそのうち6社が定額の顧問料や保守料なら、72通が自動作成の対象になり、手で作るのは残り2社ぶんの数通まで減ります

その72通を無料のまま自動化できるのはINVOYで、freee請求書は1件までです。金額が毎月変わる案件だけを手で作る形になれば、月末の作業は「確認して送る」に変わります。

インボイスの記載事項に対応できるか

相談者

インボイスの記載事項は自分で覚えておく必要がありますか?

編集長

登録番号と税率を一度設定すれば、あとはソフト側が自動で埋めます。

適格請求書に必要な記載事項は6項目です。このうちソフトが自動で埋めるのは、登録番号・取引年月日・取引先名・税率ごとに区分した対価と消費税額です。自分で決めるのは、取引内容の書き方と登録番号の取得の2つになります。

登録番号は事業者情報として1回登録すれば以降の請求書に入り、税率ごとの区分と消費税額も品目に税率を設定しておけばソフト側が集計します。冒頭で触れた端数処理の要件も、この集計に含まれます。

自作エクセルで最もずれやすい計算が、設定を1回済ませるだけで固定されるのが、ソフトに移す最大の効果です。

6項目それぞれの書き方と、免税事業者のままでよいかという判断は、当サイトの請求書の書き方(個人事業主の必須項目・インボイス・源泉徴収)にまとめています。ここではソフト側の設定に必要な範囲にとどめます。

源泉徴収と端数処理をどう設定するか

相談者

源泉徴収の欄は、いつも入れておけばよいのでしょうか?

編集長

対象の報酬かどうかを先に確認してください。対象外だと請求額が不足します。

源泉徴収するかどうかは、3点で決まります。その報酬が所得税法の列挙する報酬・料金に当たるか、取引先(支払者)が源泉徴収義務者か、1回の支払が100万円を超えるかです。

対象外の相手に「源泉あり」で発行すると、請求額が10.21%不足したまま入金されます。設定を触る前に、この3点を確認してください。

原稿料やデザイン料などは源泉徴収の対象です。税率は100万円以下の部分が10.21%、超える部分が20.42%です(出典:国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき)。

また、給与について源泉徴収義務を持たない個人が支払う報酬・料金は、源泉徴収の対象になりません(出典:国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは)。

取引先が個人事業主で従業員を雇っていないなら、この2つ目の条件に当たります。どの報酬が対象になるかの判断は、上の請求書の書き方の記事に譲ります。

源泉徴収は税抜額で計算できる条件がある

報酬に消費税が含まれている場合、原則としては消費税込みの金額全部が源泉徴収の対象です。

ただし請求書で報酬額と消費税額が明確に区分されていれば、消費税を除いた報酬額のみを対象にできます。国税庁もこの扱いを示しています(出典:国税庁 No.6929 消費税等と源泉所得税及び復興特別所得税)。

同ページの例では、110,000円とだけ記載した場合の源泉徴収税額は11,231円です。100,000円と消費税10,000円に区分すると10,210円になります。

変わるのは毎回の入金額で、年間の税負担は確定申告で精算されます。それでも1回あたり1,021円の差は、資金繰りには効きます。

請求書ソフトは報酬と消費税を分けて表示するため、この条件は自然に満たせます。あとは計算方法を「税抜き金額で計算」に合わせるだけです。

端数処理は社内で一つに決めて動かさない

切上げ・切捨て・四捨五入のどれを使うかは任意です。要件は方法の種類ではなく、一の適格請求書につき税率ごとに1回という回数のほうにあります。

適格請求書に書く消費税額は、交付する側が税率ごとに1回で決めるものです。買手はその請求書の税額を使うか、割戻し計算をします。売手が買手の処理に合わせる義務はありません。

大事なのは、自分の側で一つに固定して途中で変えないことです。取引先の求めで変えるのは例外的な対応と考えて、変えた月は控えにも記録を残しておきます。

ソフト別の設定場所

各社の公開ヘルプで確認できた設定場所です。導入初日に、ここだけ開いておけば済みます

ソフト源泉徴収の設定場所
Misoca請求書・領収書の編集ページの[課税設定]で源泉徴収税種別の「あり」を選ぶ
マネーフォワード クラウド請求書帳票の「詳細設定」タブの「その他の設定」。初期値は10.21%で、計算方法に「税抜き金額で計算」を選べる
freee請求書請求書作成画面の「源泉あり」にチェックを入れ、区分と対象人数を指定

INVOYはサポートページを参照できなかったため、確認できていません。設定前に問い合わせるか、実際の画面で確かめてください。

税率は、100万円以下の部分が10.21%(復興特別所得税を含む税率)です。まとまった金額を1回で請求する月は、初期値のままにせず20.42%が必要な部分がないか確かめます。

登録から1通目までの初期設定

相談者

登録してから1通目を出すまで、時間はかかりますか?

編集長

決めるのは8項目だけです。ほとんどが一度きりで、翌月からは選ぶだけになります。

無料枠に登録しても、最初の1通を出すまでには決めることがあります。逆にいえば、ここを埋めれば翌月からは選ぶだけで請求書ができます

1通目までに設定する項目は8つで、そのほとんどは一度きりの作業です。公式ヘルプの画面名に当てはめて並べました。

1通目までに埋める8項目

初期設定の項目Misoca(公式ガイドの区分)マネーフォワード(公式ヘルプの画面)
事業者情報CHECK4 自社情報設定帳票設定
登録番号CHECK4 自社情報設定帳票設定
ロゴ・印影CHECK3 ロゴ・印影設定帳票設定
取引先マスター登録取引先の登録
品目マスター登録品目の登録
源泉徴収CHECK5 課税設定詳細設定タブ
端数処理CHECK5 課税設定詳細設定タブの端数の計算方法
振込先公式ガイドに記載を確認できず帳票設定

Misocaの場合、この8項目は公式ガイドの5つのCHECKと、取引先・品目のマスター登録に収まっています。項目は8つでも、たどり着く画面は7つで終わります

マネーフォワードは「帳票設定」の画面と帳票の「詳細設定」タブの2か所にほぼ集約されています。freee請求書とINVOYは公開されている手順ページから画面数を数えられなかったため、この表には入れていません。両社とも源泉徴収は請求書の作成画面側で設定する形です。

1通発行してエクセルと突き合わせる

設定が終わったら、今月ぶんを1通だけ発行して手元のエクセルと並べます。確かめるのは操作画面の印象ではなく、いまのエクセルで作った請求書と金額が1円まで一致するかです。

見るのは合計金額・消費税額・源泉徴収税額の3か所だけです。たとえば月額保守の日割り12,096円・追加ページ制作51,408円・素材購入の実費8,720円という3明細(税率10%・切捨て)があるとします。

合計72,224円に対する消費税は、税率ごとに1回で処理すると7,222円、明細行ごとに処理して足すと7,221円になります。

税込の請求総額は79,446円と79,445円で、1円ずれます

ずれた金額疑うところ
消費税が1円(合計も同じだけずれる)エクセル側が明細行ごとに端数処理している。要件を満たさない計算
消費税が数円切上げ・切捨て・四捨五入の設定が両者で違う
源泉徴収税額が1,021円ずれる(11万円の請求の場合)税込基準と税抜基準の違い。計算方法を「税抜き金額で計算」にそろえる
合計だけが違い、消費税額は一致する明細の単価や数量の入力漏れ

どの行に当てはまるかが分かれば、直すのは設定画面の1か所です。この突き合わせを1回やっておけば、翌月からは端数処理の検算をやり直す必要がなくなり、合計と源泉の2か所を見るだけで済みます。

発行した控えの保存と持ち出し

相談者

自分が発行した控えも保存の対象になりますか?

編集長

メールで送ったPDFの控えは電子取引データです。検索できる形で残してください。

保存の話題は受け取った請求書の側で語られがちですが、ここでは自分が発行した控えに絞ります。PDFをメールで送っている場合、その控えも電子データとして残す対象です。

デスクトップに「請求書2026」というフォルダを作ってPDFを放り込んできた運用に不安があるなら、要件を3つの状態に分けて考えると整理できます。

電子取引データに求められる3つの状態

国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトでは、電子取引データの保存について次の3点が挙げられています。

  1. 改ざん防止のための措置をとる必要があること
  2. 日付・金額・取引先で検索できる必要があること
  3. ディスプレイやプリンタ等を備え付ける必要があること

ただし2つ目には例外があります。基準期間の売上高が一定額以下で、税務職員のダウンロードの求めに応じられる場合は検索機能の確保が不要です。

さらに、相当の理由があるときの猶予措置では、ダウンロードの求めと出力書面の提示に応じられれば改ざん防止措置と検索要件のどちらも不要になります。

月5〜20枚・取引先3〜8社という規模なら、多くの方がこの緩和の範囲に入ります。それでも、検索できる状態は請求書ソフトの得意分野です。発行日・金額・取引先をデータとして持っているため、ファイル名を毎月付け直す作業そのものが消えます

改ざん防止も、訂正削除の履歴が残るシステム上に保存する形でソフト側に寄せられます。

解約したあとを考えて書き出しておく

入り口の使いやすさだけで選ぶと、数年後にデータを取り出せなくて困ります。一括ダウンロードの手順ページを公開しているのはMisocaとマネーフォワード クラウド請求書です。INVOYは会計ソフト向けのCSVフォーマット出力に対応しています。

いっぽうで、解約後にデータを閲覧・ダウンロードできる期間は、今回確認した4社の公式料金ページとサポートページのいずれにも記載を見つけられませんでした。契約が切れた時点で手元に何も残らない前提で、年に1回は書き出しておくのが安全です。

書き出したPDFとCSVを自分のパソコンに置く場合も、要件の満たし方は決まっています。改ざん防止は、国税庁が公開している事務処理規程のサンプル様式(個人事業者の例)を自分用に整えて備え付ける方法でも代替できます。

検索については、ダウンロードの求めに応じられるなら、ファイル名を「日付_取引先_金額」の形で統一すれば足ります。上の売上高の条件に当てはまるなら、その統一すら不要です。

保存期間は、インボイス登録を済ませた課税事業者の場合、帳簿の閉鎖の日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日からとされています。その期間は7年間です(出典:国税庁 No.6621 帳簿の記載事項と保存)。

これは消費税法上の義務で、免税事業者には及ばず、所得税側の保存期間は別に定められています。

なお、クラウドサービスの料金や解約後の閲覧条件は改定されることがあります。契約時点の規約を確認したうえで、控えは自分の手元にも持っておく形が現実的です。

あなたが選ぶ1本を分岐で決める

相談者

結局、どれを選べばよいですか?

編集長

会計ソフトの系列で決まります。弥生ならMisoca、未導入ならfreee請求書です。

いまの状況を上から当てはめれば、開くべき申し込みページは1つに決まります。枚数ではなく、会計ソフトの系列と自動化の必要性が分かれ目です。

いまの状況選ぶソフト理由
弥生で確定申告しているMisoca弥生の会計ソフトへ仕訳が流れる。月10通までは無料、超えるならプラン15(初年度無償)
会計ソフトが未導入で、将来はfreee会計に寄せたいfreee請求書無料のまま発行枚数・期間とも無制限。個別のメール送付も0円
会計ソフトを変えず、毎月同じ請求書を無料で自動化したいINVOY定期請求の自動作成が無料の機能に含まれる。自動メール送信の可否は公式に記載を確認できず、作成の自動化までが確認できる範囲
マネーフォワードで確定申告していて取引先の登録数がミニの上限以内マネーフォワード クラウド請求書共通プランに請求書機能が含まれ、パーソナルミニ11,880円で完結。自動作成や一括送信を使うならパーソナル16,896円

上書きする条件は紙の郵送だけです。紙で送る取引先が毎月複数あるなら、Misocaはプラン15以上で210円(税抜)/通です。マネーフォワードはミニでも1通ずつ郵送代行を頼めます(金額は公式サイトで確認)。

無料プランのまま郵送代行を頼める製品は確認できなかったため、この条件だけは有料前提で考えます

月に1〜2通なら、自分で印刷して投函するほうが年間の固定費は抑えられます。源泉徴収は4製品とも設定できるので、分岐の条件にはなりません。

繁忙月に枠を超える程度なら、無料枠のある製品を選んでおけば足ります。前提の月5〜20枚を大きく超えて毎月安定して出すなら、通数の上限がないfreee請求書かINVOYが候補です。

請求書作成ソフト選びは、製品の数だけ迷いが増える領域です。けれども月5〜20枚・取引先3〜8社という条件を当てはめると、見るべき列は無料枠の切れ目、会計ソフトの系列、毎月の自動作成の3つに絞られます。

エクセルをやめる理由は作業時間ではありません。端数処理と源泉徴収の設定を一度固定して、毎月ゼロから確認しなくてよくなることです。

次の一歩は、分岐で名前が出たソフトの無料枠に登録して初期設定の8項目を埋め、今月ぶんを1通だけ発行してみることです。弥生ならMisoca、会計ソフトが未導入ならfreee請求書の無料プラン、いまの会計環境を変えたくないならINVOYから始められます。

エクセルの数字と3か所を突き合わせて一致すれば、来月からの月末はテンプレートを開かずに終わります。

まとめ

  • 無料枠の切れ目で選ぶ:Misocaは月10通まで、freee請求書とINVOYは通数の上限なし。マネーフォワードに無料プランはありません。
  • 会計込みの年額で比べる:初年度は弥生系列が0円、次年度以降はマネーフォワードのパーソナルミニ11,880円が下限です。
  • 定期請求は無料でも使える:毎月同じ請求はINVOYなら無料の機能に含まれ、freee請求書は1件まで。月末の手作業が大きく減ります。
  • 設定したら1通で検算する:端数処理と源泉徴収をそろえたら、今月ぶんを1通発行してエクセルと3か所を突き合わせます。

よくある質問

請求書に通し番号は付けなければいけませんか?

適格請求書の記載事項に請求書番号は含まれておらず、法律上の義務ではありません。ただし控えを探すときや入金の照合で役立つため、多くのソフトが自動で連番を振ります。年と月を頭に付ける形にしておくと、あとから並べ替えやすくなります。

請求書に押印は必要ですか?

押印は法律で義務づけられていません。商慣習として求められる場面があるため、請求書ソフトでは印影画像を登録して自動で差し込む形が一般的です。取引先から指定がなければ、押印がなくても支払いの手続きに支障はありません。

振込手数料はどちらが負担すると書けばよいですか?

契約や取引開始時の取り決めで決まる部分です。合意がないまま請求書に書くと行き違いになりやすいため、先に取引先と決めてから備考欄に記載してください。手数料を差し引いて入金された場合の処理も、あわせて決めておくと毎月迷いません。

支払期日は請求書に書く必要がありますか?

適格請求書の必須項目ではありませんが、入金の遅れを防ぐために記載しておくのが実務的です。月末締め翌月末払いのように、取引先と合意した条件をそのまま書きます。ソフトなら取引先ごとに既定の期日を登録しておけます。

ソフトを乗り換えると、これまでの請求書はどうなりますか?

過去に発行した控えは、解約する前にPDFとCSVで書き出して手元に保存してください。新しいソフトへ移すのは取引先と品目のマスターだけで足ります。控えには保存すべき期間があるため、契約が切れる前に書き出しておくと安全です。

参考文献・出典

最終更新: 2026-09-08です。引用データは主に2026年9月時点のもので、各社の公式料金ページ・ヘルプは2026-09-08に確認しました。国税庁のタックスアンサーおよびインボイス制度に関するQ&A問57(令和6年4月改訂版)も同日に確認しています。

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納期と作業時間をひとりで抱えている方へ

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この記事を書いた人

Toma氏のアバター Toma氏 一人社長 小さな事業の編集長

自らも一人社長として事業を経営し、「一人でも稼げる」「一人でも成長できる」 を実践。
Webマーケティング、BtoB営業、事業戦略を駆使し、社員ゼロで売上を伸ばす経営スタイルを確立。

「一人だからこそ、強く・自由に・スマートに。」をテーマに、独立・経営・集客・時間管理・資金繰り など、一人社長に必要な実践的なノウハウを発信中。

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