InstagramのDMで候補日を送り、返事を待つ間にLINEで別の客ともやり取りが始まる。カレンダーへの書き写しは後回しになり、気づけば同じ時間帯に2件が並ぶ。
日程調整は売上になりません。それでも通知は鳴り続け、夜も休日も手が止まります。問い合わせを翌朝返すと、すでに他へ流れていることもあります。
とはいえ、固定費を増やすことには抵抗があるはずです。「まず無料で始めたい。でも上限に当たって予約が受けられなくなるのが怖い」という不安が、多くの人を足踏みさせます。
無料で足りるかは、月の予約件数と、私用の予定を予約枠から外す仕組みまで求めるかで決まります。
この記事では主要6サービスを比較し、件数の上限・通知と連携の可否・上限到達時の挙動を横並びにします。外の選択肢も含め、始め方を1つに絞ります。
- 無料プランで足りるかどうかは、月の予約件数と私用の予定の扱いの2点で決まること
- 主要6サービスの無料枠を公式ページの記載で横並びにした結果(件数・通知・カレンダー連携)
- 予約の型4つと月の件数から、自分に要る機能だけを絞り込む手順
- 無料の上限に達したときに起きることと、有料に上げたときの月額の差
フリーランスに予約管理システムは必要か
相談者予約が月に十数件でも、システムを入れる意味はありますか?



予約1件が決まるまでの往復が2回を超えているなら、件数が少なくても効果が出ます。
必要かどうかは、予約1件が決まるまでに何往復しているかで決まります。2往復を超えているなら、その回数に月の件数を掛けた分が、毎月そのまま消えている作業時間です。
予約管理システムは、この往復をお客さまの操作1回に置き換える仕組みです。受付枠の公開、自動受付、顧客情報の保存、確認とリマインドの通知までを1か所でこなします。
手作業との違いは、空き枠を決める主導権が自分からお客さまに移る点にあります。
手作業のままだと消耗しやすい場面
ひとり運営で起きる困りごとは、だいたい次の4つに集約されます。
- 日程調整の往復: 候補提示、返信待ち、再提示。1件が確定するまでに何度もやり取りが重なる
- 営業時間外の取りこぼし: 深夜や施術中に届いた問い合わせへの返信が遅れ、そのまま連絡が途切れる
- ダブルブッキング: 予約経路がLINE、DM、メールと3つ以上に分かれ、カレンダーへの転記が漏れる
- 無断キャンセル: 前日のリマインドを手で送っており、忙しい週ほど送り忘れる
導入するかどうかは、直近1週間の「予約1件が決まるまでのメッセージ往復回数」を数えると判断できます。この数字は、導入したあとの効果測定にもそのまま使えます。
まだ導入しなくてよい人もいる
一方で、月の予約が数件で、相手が全員顔なじみの固定客なら、急いで導入する必要はありません。年に数回の単発コンサルや、リピーター3名だけのパーソナル指導では、メッセージのやり取り自体が関係づくりの一部になっていることもあります。
判断軸は2つです。予約の経路が1本に絞れているか、そして転記の作業が発生していないか。両方とも当てはまるなら、しばらく様子を見てかまいません。
なお、LINE公式アカウントのコミュニケーションプランは月額固定費0円で、無料メッセージは200通です。出典:LINEヤフー for Business LINE公式アカウント 料金プラン
ただし、この通数を消費するのは一斉配信やステップ配信などのメッセージ配信で、1対1のトークでの日程調整は通数に含まれません。予約システムへ移る理由は、LINEの料金ではなく、往復の回数と転記の手間です。
無料プランで足りる予約数の目安



無料プランのままだと、どのくらいの予約数までしのげますか?



月50件が目安です。それを超えると、無料では通知や連携が抜けたサービスだけが残ります。
無料で足りるのは月50件までが目安です。これを超えると、無料のまま件数を受けられるサービスは通知や連携が抜けている、という形に変わります。
無料プランの分かれ方は2種類、「件数で止まる型」と「件数は無制限でも機能が抜けている型」です。
この記事で取り上げる基準
比較にあたって、次の3条件を満たすサービスだけを対象にしました。
- 公式に無料で始められるプランが用意されている
- 個人事業主が単独で申し込める(法人契約や複数スタッフが前提でない)
- 公式の料金ページで無料プランの条件を確認できる
そのうえで、対象は「受付枠を常設で公開し、顧客情報の保存と通知までを1か所で行う予約管理システム」に限りました。候補日を出して1回きりの日程を決める日程調整ツールは役割が違うため、比較表には入れず、このあとの別枠で扱います。
並び順は無料プランの月間予約件数の上限が大きい順で、優劣の断定はしません。数値はすべて2026年8月31日に各公式ページで確認し、確認できなかった項目は「公式ページに記載なし」と書いています。表の出典URLは末尾の参考文献にまとめました。
情報源は公式ページの記載です。編集部による実機の登録テストは行っていないため、設定にかかる時間や通知が届く時刻といった実測値は載せていません。
| サービス | 月間予約件数 | 登録顧客件数 | 無料での公開数の制限 |
|---|---|---|---|
| Airリザーブ | 無制限 | 記載なし | 記載なし |
| freee予約 | 無制限 | 記載なし | 記載なし |
| RESERVA | 50件 | 250件 | 記載なし |
| STORES 予約 | 50件 | 記載なし | 予約ページの公開数は2 |
| MOSH | 記載なし | 記載なし | ワークフローの公開は1個 |
| Square 予約 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
RESERVAの無料プランの上限(月50件・登録顧客250件)は料金ページに記載があります。出典:RESERVA 料金プラン
無料で使える通知と連携の差
件数より先に見るのがこの3つです。リマインドが無料側にないと送り忘れが残り、カレンダー連携がないと転記が残り、LINE連携がないとお客さまはDMに戻ります。
| サービス | 無料の自動リマインド | 無料のGoogleカレンダー連携 | 無料のLINE公式アカウント連携 |
|---|---|---|---|
| Airリザーブ | ×(有料プランの機能) | ×(有料プランの機能) | 記載なし |
| freee予約 | ○(前日などに自動送信) | 記載なし | ヘルプに手順あり(無料での可否は記載なし) |
| RESERVA | ○ | △(RESERVAからGoogleへの一方向) | ×(有料オプション) |
| STORES 予約 | ×(スモールプラン以上) | ×(有料プランの機能) | ×(スモールプラン以上+オプション) |
| MOSH | △(ワークフローの公開はFREEで1個) | △(MOSHからGoogleへの一方向。無料での可否は記載なし) | △(LINE配信は月200通。予約完結型の連携可否は記載なし) |
| Square 予約 | ○(メールとSMS) | ×(有料プランの機能) | 記載なし |
RESERVAの料金ページは、Googleカレンダーとの一方向連携をフリープランから記載しています。双方向連携は施設タイプのエンタープライズプラン以上です。
STORES 予約の双方向連携はチームプラン以上、freee予約のメール内容のカスタマイズはBusinessプランです。
無料でGoogleカレンダーと双方向につながるサービスは、比較した6サービスにありません。
無料で使えるのはRESERVAとMOSHの一方向連携だけです。Airリザーブ・STORES 予約・Square 予約は有料プランの機能、freee予約は公式の料金ページに記載がありません。
一方向連携は、予約が入ったことをGoogleカレンダーへ書き出す機能です。Google側に入れた私用の予定は予約枠に反映されないため、一方向のままでは私用の予定への予約流入は防げません。
同じ「通知」でも中身は分かれます。Squareは前日のリマインドこそ無料で送れますが、予約直後の確認メールの自動送信は有料プランに上げないと使えません。
双方向連携が要るなら6サービスの外を見る
私用の予定が頻繁に入り、Googleカレンダーが予定の本体になっている人には、双方向連携が要件になります。その場合の候補は6サービスの外にあります。
| 選択肢 | 無料でできること | 無料での弱み |
|---|---|---|
| Googleカレンダーの予約スケジュール | カレンダー本体の予定と重ならない受付ページを作れる | 作れる予約ページは1つ。リマインダーメールの自動送信は有料 |
| 日程調整ツール(TimeRex、Jicoo、Spirなど) | 候補日の提示とカレンダー連携 | 無料枠の条件が各社で違うため、公式ページでの確認が要る |
| 6サービスの一方向連携+運用の工夫 | 予約の入り口を予約ページ1本に寄せ、私用の予定もシステム側に入れる | 私用の予定を入れ忘れると重なる |
重なりを止める本体は連携ではなく、予約の入り口を1本にすることです。予約システム内部の重複はどのサービスでも止まります。連携が防ぐのは、システムの外にある予定との衝突だけです。
無料プランでお客さま側に見える制約
ひとりで仕事をしていると、予約ページがお客さまにどう見えるかも気になります。公式ページで確認できたぶんだけ並べました。
| サービス | お客さまの目に触れる制約 | 通知まわりの制限 |
|---|---|---|
| Airリザーブ | 記載なし | 記載なし |
| freee予約 | 記載なし | 記載なし |
| RESERVA | フリーは広告表示あり(非表示はシルバープラン以上) | メール配信はフリーとブルーで1通1.1円 |
| STORES 予約 | 予約ページのロゴ設定はスモールプラン以上 | メールとSMSの保存期間は1か月 |
| MOSH | 記載なし | メール3,000通、LINE配信200通 |
| Square 予約 | 記載なし | 記載なし |
記載がないことは、制約がないことを意味しません。メールの差出人名がサービス名だけだと、お客さまが迷惑メールと勘違いすることもあります。
件数から見た4つの分岐
自分の月間予約件数を当てはめると、判断はかなり単純になります。
月10件: 上限が公開されている4サービス(Airリザーブ、freee予約、RESERVA、STORES 予約)なら無料のまま運用できます。選ぶ基準は上限ではなく、設定のわかりやすさと通知の届き方です。
月30件: 50件で止まる型でも余裕があります。効いてくるのは件数より機能で、前掲の通知と連携の表が分かれ目になります。
月60件: RESERVAとSTORES 予約は上限を超えます。無料のまま件数を受けるならAirリザーブかfreee予約です。
ただしAirリザーブは無料ではリマインドもカレンダー連携も使えません。freee予約はリマインドこそ無料で使えますが、カレンダー連携は公式ページで確認できません。
件数の上限が外れることと、手作業が消えることは別の話です。件数を取るなら、転記とリマインドの手作業が残る前提で選ぶことになります。
月100件: 顧客件数のほうが先に効きます。RESERVAの無料枠は登録顧客250件で、これを埋めていくのは新規のお客さまです。月の新規客数に月数を掛けて、250件に届くまでの期間を見積もります。
無料枠の上限に達すると何が起きるか
上限に当たったとき何が起きるかは、公式に書いている会社と書いていない会社に分かれます。
| サービス | 上限に達したとき | リセットと顧客データ |
|---|---|---|
| Airリザーブ | 予約件数は無制限のため該当なし | 記載なし |
| freee予約 | 無料プランは予約数の制限なし | 記載なし |
| RESERVA | 予約受付ができなくなる | 顧客250件で新規登録が止まる |
| STORES 予約 | 新規の予約受付ができなくなる | 次の集計期間の開始日にリセット |
| MOSH | 記載なし | 記載なし |
| Square 予約 | 記載なし | 記載なし |
RESERVAは、月間の期間が契約日により異なる月度で区切られ、ダウングレードなどで超過した顧客情報はマスク化されて閲覧できなくなります。STORES 予約の挙動は2026年8月31日にサポートページを人の目で確認しました。
件数の数え方は、どのサービスも公式ページで確認できませんでした。受付日と実施日のどちらで数えるか、キャンセル分や管理画面から自分で入力した分を含むかは、申し込み前にサポートへ確認しておく項目です。
MOSHとSquare 予約は、無料プランの月間予約件数について公式ページに記載が見つかりませんでした。記載がないことは上限があることを意味しませんが、確認できない以上、このあとの絞り込み表からは外しています。
候補に残す場合は、次の文面で問い合わせて回答を残しておくと安全です。
有料に上げたときの月額と差額
無料では成立しないと分かった時点で、次に知りたいのは金額です。公式ページの表記が税込と税抜、月払いと年払いで混ざっているため、揃えました。
| サービス | 有料の最安プラン | 税込・月払い | 税込・年払い(月あたり) |
|---|---|---|---|
| Airリザーブ | ベーシック | 5,500円 | 区別の記載なし |
| freee予約 | Business | 3,980円 | 3,180円 |
| RESERVA | ブルー | 5,500円 | 3,850円 |
| STORES 予約 | スモール | 12,980円(複数月契約) | 9,790円(年間契約) |
| MOSH | STARTER | 1,380円 | 区別の記載なし |
| Square 予約 | プラス | 3,000円(店舗ごと) | 区別の記載なし |
STORES 予約の複数月契約は最短3か月からで、厳密な月払いではありません。freee予約、MOSH、Square 予約は税込と税抜の別が公式ページに書かれていないため、表記のまま載せています。
月払いと年払いの差額を年間で見ると、RESERVAが19,800円、STORES 予約が38,280円です。freee予約は9,600円です(いずれも当サイト試算)。
RESERVAブルーの上限は月間予約200件、登録顧客1,000件です。上げた先にも上限があるので、月200件を超える見込みならさらに上位のプランになります。
年払いは安いぶん、合わなかったときに引き返しにくくなります。最初の数か月は月払いで様子を見るほうが、固定費を増やす不安には合います。
予約の型で分かれる必要機能



同じ職種なら、必要な機能も同じになるのでしょうか?



職種では決まりません。予約の型4つのどれに当たるかで、見るべき機能が変わります。
必要な機能は職種名では決まりません。整体師でも、出張専門とサロン常駐では要件が違うからです。自分の予約が4つの型のどれに当たるかで整理すると、見るべき機能が絞れます。
| 予約の型 | 見分け方 | 要る機能 | 要らない機能 |
|---|---|---|---|
| 固定枠の対面 | 同じ場所で、決まった時間割に人が来る | 時間割の一括設定 | ビデオ会議連携、住所入力欄 |
| オンライン面談やレッスン | 場所の移動がなく、URLを送って始める | ビデオ会議URLの自動発行、タイムゾーン表示 | 移動時間の確保、地図表示 |
| 出張や現地撮影 | こちらが相手の場所へ向かう | 予約間の移動時間確保、住所と駐車場の入力欄 | 店舗の座席管理、複数スタッフ設定 |
| 複数日程の調整 | 相手の都合を聞いてから決める単発案件 | 候補日の提示と確定後の自動通知 | 常設の受付枠、在庫管理 |
型と件数から候補を絞る
型が分かったら、月の件数と組み合わせます。件数の上限を公式ページで確認できなかったMOSHとSquare 予約は、この表からは外しました。
| 予約の型 | 月30件くらいまで | 月50件を超える見込み |
|---|---|---|
| 固定枠の対面 | RESERVA、STORES 予約(無料では通知・連携なし) | Airリザーブ、freee予約 |
| オンライン面談やレッスン | RESERVA、STORES 予約(無料では通知・連携なし) | freee予約 |
| 出張や現地撮影 | RESERVA、freee予約 | freee予約、Airリザーブ |
| 複数日程の調整 | Googleカレンダーの予約スケジュール、日程調整ツール | 同左 |
右の列は「無料で続けられる」欄ではなく、「無料のままだと悩みが残る」欄です。件数無制限の2社を選ぶと、前掲の表のとおり通知と転記の手作業が残ります。公式ページで確認できた機能の一致による絞り込みで、優劣の判定ではありません。
対面と出張で押さえる時間の考え方
固定枠の対面では、メニューごとの所要時間差を設定できるかが効きます。60分の施術と90分のコースを同じ枠で扱うと、後ろの予約が押します。
出張や現地撮影では、予約と予約のあいだに移動時間を自動で挟めるかが決め手です。この設定がないと、地図上で1時間離れた2件が30分差で入ってしまいます。住所の入力欄と、当日の連絡先を受け取る項目もあわせて見ておきます。
オンラインと日程調整で効く機能
オンライン面談やレッスンでは、予約が確定した瞬間にビデオ会議のURLが自動で発行され、確認メールに載る形が理想です。手でURLを作って送る運用が残ると、システムを入れた意味が半減します。
複数日程の調整型は、常設の受付枠を公開する発想と少しずれます。単発コンサルのように毎回条件が変わる仕事では、常設ページより候補日提示の機能のほうが実務に合います。型が2つにまたがる人は、件数が多いほうの型を主軸にすると迷いが減ります。
ひとり運営で外せない機能の見極め方



機能が多いサービスを選んでおけば安心ではありませんか?



ひとり運営では、自分だけで設定を終えられるかが判断軸です。6つに絞って確認しましょう。
型別の要件を押さえたら、次は型を問わず効く共通機能です。従業員がいない前提では、機能の多さより「自分ひとりで設定を終えられるか」が判断軸になります。
型を問わず効く6つの機能
- スマホだけで設定と受付ができる: 外出先で枠を閉じたり、当日の予約に気づける
- Googleカレンダーへの書き出し: 予約が入るとカレンダーに反映される。ただし6サービスの無料プランは一方向で、Google側の私用の予定は予約枠に反映されない
- 自動リマインド: 前日や当日朝の通知を自動化し、送り忘れをなくす
- 受付枠の一時停止: 体調不良や繁忙期に、予約ページを消さずに受付だけ止められる
- 顧客ごとのメモ: 前回の内容やアレルギー、要望を予約情報に紐づけて残せる
- メニューごとの所要時間差: サービスの長さに合わせて枠の幅を変えられる
このうち書き出しの機能は、カレンダー単体では補いきれません。Googleカレンダー単体では、個人アカウントとWorkspace Business Starterで作れる予約ページは1つだけです。
リマインダーメールの自動送信も、予約ページの複数作成も、上位の有料プランに上げないと使えません。
無料プランでのCSV出力の可否
乗り換えや確定申告のことを考えると、データを外に出せるかどうかは早めに見ておく項目です。
| サービス | 無料プランでのCSV出力 |
|---|---|
| Airリザーブ | ×(スタンダードプラン以上) |
| freee予約 | 記載なし |
| RESERVA | △(顧客情報は可、予約情報は制限あり) |
| STORES 予約 | ×(ビジネスプラン以上) |
| MOSH | 記載なし |
| Square 予約 | 記載なし |
RESERVAは顧客情報のCSV出力がフリープランから使えます。いっぽうで予約情報は、全項目のダウンロードと項目の選択・並べ替えがゴールドプラン以上と注記されています。書き出せないサービスを選ぶと、乗り換えのときに顧客情報を手で移すことになります。
後回しでよい機能と、自分に生じる義務
会員ランク、ポイント付与、スタッフ管理、多店舗管理は、ひとりで運営しているあいだは不要です。比較表を眺めていると必要に見えてきますが、従業員がいなければ使う場面がありません。予約ページのデザイン細部の調整も後回しでかまいません。
いっぽうで、お客さまの氏名や連絡先を預かる以上、個人情報を扱う義務は自分に生じます。取り扱う件数にかかわらず、個人情報を事業に使う人は個人情報取扱事業者にあたります。
やることは3つです。利用目的を決めて公表する、第三者へ渡す場合の扱いを決める、予約システムを委託先として把握しておく。自分名義のプライバシーポリシーを予約ページに掲示できるか、つまり自由記述のページを作れるかは、選ぶときの実務要件になります。
LINEとInstagramから予約につなぐ



予約ページを作れば、お客さまは自然に使ってくれますか?



導線がないと動きません。プロフィールとリッチメニューなど3か所にURLを置いてください。
予約の入り口がLINE公式アカウントとInstagramのDMなら、予約ページを作っただけではお客さまは動きません。やることは2つ、予約URLを目につく場所に置くことと、LINE公式アカウントと連携するかを決めることです。
予約URLをプロフィールとリッチメニューに置く
置き場所は3か所で足ります。作業は合計10分ほどです。
- Instagramのプロフィール: プロフィールを編集からウェブサイト欄に予約URLを登録する。ウェブサイト欄は複数のリンクを登録できるので、予約URLを先頭に置く
- Instagramのストーリーズとハイライト: ストーリーズにリンクスタンプで予約URLを貼り、それをハイライトに保存する。ハイライト自体にはリンク機能がないため、この順番になる
- LINE公式アカウント: リッチメニューのボタンに予約URLを設定し、あいさつメッセージと営業時間外の応答メッセージにも1行入れる
3か所に置くと、DMで日程を聞かれたときも「こちらから空き枠が見られます」とURLを返すだけで済みます。名刺やメール署名にも同じURLを載せると、経路がさらに1本に寄ります。
LINE連携まで必要かを見分ける
ここでいう連携は、URLを貼ることとは別です。LINEのトーク上で予約が完結し、確認とリマインドがLINEのメッセージとして届く形を指します。無料での可否は前掲の表のとおり分かれます。
費用は2階建てになります。RESERVAは月3,300円(税込)のオプションを足す形です。STORES 予約もスモールプラン以上にLINE連携オプションの月額がかかりますが、金額は公式ページに記載がなく問い合わせが必要です。
そのうえで、予約完了やリマインドの通知は自分のLINE公式アカウント側の配信数を消費します。
RESERVAの公式ヘルプも、利用プランの配信数上限を超えると予約者に通知が配信されなくなると明記しています。予約1件につき確認とリマインドで2通、キャンセル通知も足すと3通です。
月50件なら100通から150通で、コミュニケーションプランの200通枠はすぐ埋まります(当サイト試算)。
無料枠で足りないなら、LINE公式アカウント側を上位プランへ上げる費用も乗ります。なおMOSHは、FREEプランでもLINE配信が月200通まで使えます。予約完結型の連携にあたるかは公式ページに記載がありません。
判断は単純です。お客さまがメールをほとんど開かない層なら、2階建ての費用を払う価値があります。無料のまま2週間運用して、確認メールの開封が伸びないときが、費用をかける合図です。
事前決済と無断キャンセルへの備え



無断キャンセルは、固定費をかけずに減らせますか?



減らせます。自動リマインドと事前決済は、無料プランでも使えるサービスがあります。
無断キャンセルは、ひとり運営にとって金額以上の打撃になります。その日の枠を他の人に渡せたはずだからです。
固定費0円のまま打てる2つの手
無料プランで可否を確認できた打ち手は、事前決済と自動リマインドの2つでした。カードの事前登録、キャンセル料の自動請求、キャンセル期限の表示は、6サービスの公式ページで確認できなかったため扱いません。
無料は固定費0円という意味で、コストゼロではありません。事前決済は売上比例のコストで、月額0円でも売上の数%が毎月引かれます。
| サービス | 無料プランでの事前決済 |
|---|---|
| Airリザーブ | オンライン決済の手数料の記載あり(無料での可否は記載なし) |
| freee予約 | ○ |
| RESERVA | ○ |
| STORES 予約 | ○ |
| MOSH | ○ |
| Square 予約 | ○(カード情報の保存・利用、前払いが無料プランの機能一覧に記載) |
自動リマインドの可否は前掲の通知と連携の表を参照してください。無料のまま事前決済とリマインドの両方が使えるのは、freee予約、RESERVA、Square 予約の3つです。忘れによるキャンセルに直接効くのはリマインドなので、そこを起点に選ぶと外しません。
事前決済にかかるコストの見方
オンライン決済は申し込んですぐ使えるわけではありません。決済事業者の加盟店審査があり、業種によっては取り扱えないことがあります。乗り換えの段取りに入る前に、自分のサービスが対象かを確認しておくと詰まりません。
| サービス | 事前決済の手数料 | 入金までの日数 |
|---|---|---|
| Airリザーブ | オンライン決済3.24% | 記載なし |
| freee予約 | 記載なし | 記載なし |
| RESERVA | オンラインカード決済4.9%(全プラン共通) | 記載なし |
| STORES 予約 | 5.2%〜(中小特別料率適用時) | 記載なし |
| MOSH | クレジットカード6.5%+99円 | 記載なし |
| Square 予約 | オンライン3.6%、対面2.5%〜 | 一部の銀行は翌営業日 |
Squareの対面2.5%〜は年間キャッシュレス決済額3,000万円未満で主要カードブランドの対面決済が条件です。入金はみずほ銀行と三井住友銀行が翌営業日、それ以外の金融機関は毎週金曜日で、振込手数料はSquareの負担です。
MOSHは当日現地支払いなら手数料がかかりません。
月額と決済手数料は二者択一ではなく、両方かかります。RESERVAで単価1万円を月30件すべて事前決済にすると、売上30万円に対して手数料は14,700円です。
ブループランに上げても手数料は変わらないため、月あたり合計は3,850円を足した18,550円になります(いずれも当サイト試算)。
比べるべきは有料プランと手数料ではなく、当日現地払いの運用と事前決済の運用です。常連客だけ現地払いに寄せる形も選べます。
特商法の表記と適格請求書
オンラインで申し込みを受けて代金を先に受け取る運用は、特定商取引法の通信販売にあたります。事業者名、住所、電話番号、代金の支払時期と方法、役務の提供時期、返品やキャンセルの条件を表示する義務が生じます。
予約ページに自由記述のページを作れるかどうかが、そのまま選定の要件になります。自宅で仕事をしている人は住所の開示が論点になるので、掲載方法を決めてから申し込む順番が安全です。
法人や事業者のお客さまが混ざるなら、適格請求書の要件も確認しておきます。予約システムが出す領収書や決済完了メールに登録番号と税率ごとの区分が入るか、決済手数料側の適格請求書を決済事業者から受け取れるか。この2点は仕入税額控除の可否に直結します。
入金と売上のズレの扱い方
RESERVAで1万円の予約を10件受けると、手数料4.9%で入金は95,100円です(当サイト試算)。ここで入金額をそのまま売上に記帳すると、課税売上高も所得もずれます。
売上は総額の10万円で計上し、手数料の4,900円は支払手数料として費用に立てます。月末の予約が翌月の入金になる分は、売掛金や未収入金として残します。売上を立てる時期は入金日ではなく、サービスを提供した日です。
この2つを押さえたうえで、毎月の明細を残します。管理画面から取引ごとの金額・手数料・入金日が並ぶCSVを出し、振込単位の入金明細と突き合わせて、月ごとのフォルダに保存する形です。
個人で事業を行う人には記帳と帳簿等の保存の義務があります。手数料の科目や課税区分は事業によって変わるため、所轄の税務署や税理士に確認するのが確実です。出典:国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について
キャンセルポリシーの書き方
掲示するだけでは請求できません。金額と発生時点を特定し、予約時に同意を取るところまでが1組です。
いつから、いくら、どこへ連絡するか。この3点が特定されていない文面は、実際の請求には使えません。予約フォームに同意のチェックボックスを置き、予約確認メールにも同じ文面を再掲すると、同意した証跡が残ります。
率の決め方には上限があります。消費者契約法により、平均的な損害の額を超える部分の違約金は無効になるため、施術やレッスンの実損を超える設定は避けます。個別の事情で判断が変わるので、迷う場合は弁護士など専門家に相談する前提で決めます。
無料で始めるならRESERVAを基準にする



結局、最初の1つはどれから始めればよいですか?



月50件以下ならRESERVAが基準です。無料でリマインドとカレンダーへの書き出しがそろいます。
月50件以下で、予約の入り口を予約ページ1本に寄せられるなら、無料で始める候補はRESERVAです。リマインドと予約のカレンダーへの書き出しを無料で両方そろえられるのが、比較した6サービスではここだけだからです。
理由は3つあります。無料でリマインドと一方向のGoogleカレンダー連携が使えること。無料でも顧客250件まで管理でき、顧客情報のCSV出力ができること。上限に達したときの扱いが公式サポートに書かれていることです。
ただし但し書きが2つあります。フリープランは予約ページに広告が表示され、非表示にするにはシルバープラン以上が必要です。そして予約情報のCSVは、全項目のダウンロードと並べ替えがゴールドプラン以上になります。
私用の予定を予約枠から自動で外したい人は、この選択では目的を果たせません。その場合はGoogleカレンダーの予約スケジュールや日程調整ツールを見るか、自分の予定もRESERVA側に入れる運用で埋めます。
条件から外れる分岐も書いておきます。すでに月50件を超えていて費用をかけたくないなら、Airリザーブかfreee予約で件数を優先します。
お客さまがメールを開かずLINEしか見ないなら、LINE連携オプションとLINE公式アカウント側の通数の両方を見積もってから決めます。
申し込みはRESERVAの公式サイトから、無料プランを選んで進めます。
今の予約方法から乗り換える段取り



今のLINEやDMでの受付は、いつ止めればよいですか?



2週間から1か月ほど並行運用し、告知が行き渡ってから閉じると安全です。
LINEやDMで受けている状態から切り替えるとき、いちばん多い失敗は「あれこれ登録して、どれも設定が終わらないまま元の運用に戻る」ことです。段取りを5段階に固定すると避けられます。
5つの段階で切り替える
- 前の章で決めた1つを開く: 2つ触ってから選びたい場合だけ、無料プランで両方を設定する(任意)
- 受付枠とメニューを設定する: メニューは主力の2つか3つだけ作る。全部を最初から並べない
- 自分で予約を入れてテストする: 別のメールアドレスで実際に予約し、次のチェックリストを目視で確かめる
- 導線を3か所に置いて告知する: Instagramのプロフィール、LINEのリッチメニュー、メール署名に予約URLを設置してから既存客に知らせる
- 並行運用の期間を決めて旧経路を閉じる: 2週間から1か月を目安に、DMでの受付を止める。電話は残し、受けた分を自分で管理画面に登録する
3番目で見るのは4点です。確認メールの差出人名、リマインドが届いた時刻、Googleカレンダーへの反映、そしてスマホで開いたときの予約ページの見え方。ここを飛ばすと、月額を払ったあとで仕様の違いに気づくことになります。
なお、テスト予約や管理画面から手で入れた予約が月間件数に含まれるかは、公式ページで確認できませんでした。50件枠のサービスでテストを繰り返す前に、この点も問い合わせておくと安全です。
既存のお客さまへの告知文
長い説明は読まれません。90字前後で用件だけを伝えます。
最後の一文があると、操作に不安のあるお客さまが離れずに済みます。従来の連絡先を閉じるのは、並行運用の期間が終わってからで十分です。
つまずきやすい点
過去の予約データや顧客リストは、多くの場合そのまま移せません。LINEのトーク履歴から自動で取り込む仕組みは期待しないほうが安全です。常連客の情報だけを手で登録し、残りは新規予約が入るたびに貯めていく形になります。
切り替え日を繁忙期に重ねないことも大切です。年末や新学期のように予約が集中する時期は、設定の不備に気づいても直す余裕がありません。件数が落ち着く月を選びます。
導入後1か月で見直す3つの数字



導入したあとは、何を見ておけばよいですか?



予約件数、無断キャンセル数、やり取りの往復回数の3つです。点検は10分で済みます。
入れて終わりにすると、無料枠の上限に気づかないまま受付が止まることがあります。1か月後に見る数字を3つに固定しておけば、点検は10分で終わります。
見る数字と確認する場所
| 見る数字 | どこで確認するか | 見るポイント |
|---|---|---|
| 月の予約件数 | 管理画面の予約一覧を月で絞り込む | 無料枠の上限にどれだけ余裕があるか |
| 無断キャンセル件数 | 予約一覧のステータスで絞り込む | 導入前と比べて減っているか |
| 予約1件あたりのやり取り回数 | LINEとDMの受信履歴を数える | 導入前に数えた往復回数から減ったか |
3つ目は自動では出ませんが、手で数える価値があります。予約ページを作ったのにDMでの調整が続いているなら、告知が届いていないか、URLが見つけにくい位置にあるということです。
数字が示すサインと次の一手
※ここから先は予測を含みます。予約件数が無料枠の8割に達しているなら、翌月には上限に触れると考えておくほうが安全です。RESERVAで月40件まで来たら、ブループランへの切り替えか、件数に上限のないサービスへの乗り換えを検討する段階です。
上限に当たってから動くと、受付が止まった状態で移行作業をすることになります。
無断キャンセルが減っていないときは、リマインドの送信時刻を見ます。ただし送信時刻を変えられるかはサービスとプランによって分かれ、freee予約はメール内容のカスタマイズがBusinessプランです。
変えられない場合は、メニュー説明にキャンセルポリシーを再掲するか、前日に一言だけ手で送る形で補います。
それでも変わらないなら、事前決済と、予約時の同意取得まで踏み込む段階です。やり取りの回数が減っていないなら、導線の置き場所を見直します。固定費を払っていないうちは、別のサービスを試す判断もできます。
まとめ
- ✓ 無料の分かれ目は月50件:これを超えると、無料で件数を受けられるサービスは通知や連携が有料側に置かれています
- ✓ 双方向連携は無料にない:6サービスの無料プランでGoogleカレンダーと双方向につながるものはありません
- ✓ 最初の1つはRESERVA:月50件以下なら、無料でリマインドと一方向のカレンダー書き出しが両方使えます
- ✓ 切り替えは段取りで決まる:受付枠を作って自分でテスト予約し、導線を3か所に置いてから旧経路を閉じます
今日やることは1つです。RESERVAの無料プランに登録し、受付枠を2つ作って、自分のスマホから1件テスト予約を入れる。確認メールの差出人名、リマインドの届く時刻、カレンダーへの反映が、それだけで自分の目で見えます。
そのあと2週間ほど今の連絡手段と並走させ、月の件数が無料枠のどのあたりにあるかを見ます。固定費を払うか、件数に上限のないサービスへ移るかを決めるのは、そこからで間に合います。
よくある質問
- 無料プランは途中で終了しますか?
-
6サービスの料金ページに、無料プランの利用期間や終了時期の記載はありません(2026年8月31日確認)。現実的なリスクは打ち切りではなく、上限で受付が止まることです。料金や条件は改定されることがあるため、申し込み時の記載を保存しておくと安心です。
- 有料に上げると料金は日割りですか?
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日割りの扱いは6サービスの料金ページでは確認できませんでした。分かるのは金額差のほうで、RESERVAは月払い5,500円に対して年払いが月あたり3,850円(いずれも税込)です。上限が近づいた時点で、契約更新日と日割りの有無をサポートへ確認する形になります。
- 高齢のお客さまも予約できますか?
-
窓口を1つに閉じなければ問題は起きません。予約ページを主軸にしつつ電話での受付を残し、受けた分を自分で管理画面に登録すれば、カレンダーは1本にまとまります。ただし手入力分が月間件数に含まれるかは公式ページで確認できないため、50件枠のサービスでは事前に確認してください。
- テスト予約も件数に入りますか?
-
テスト予約やキャンセル済み予約を月間件数に含めるかは、6サービスの公式ページでは確認できませんでした。含まれる仕様なら、テストを繰り返すだけで無料枠を消費します。50件枠のRESERVAとSTORES 予約では、カウント基準をサポートへ確認してから試すのが安全です。
- 予約システムを2つ併用できますか?
-
併用そのものはできますが、同じ時間帯の枠が2か所で公開されるため、重複予約の原因になります。比較したい期間は片方の受付を止めておき、実際にお客さまへ案内する入り口は1本に絞ってください。
参考文献・出典
- Airリザーブ 料金プラン
- Airリザーブ 機能
- freee予約 料金プラン
- freee予約 料金・プラン比較
- freee予約 機能一覧
- RESERVA サポート 予約件数と顧客件数の制限について
- RESERVA サポート 広告表示について
- RESERVA LINE連携
- RESERVA サポート LINE連携の通知と配信数
- STORES 予約 料金と機能
- STORES 予約 利用料金・プラン
- STORES 予約 LINE連携
- STORES 予約 FAQ 月間予約件数の上限は何件ですか
- MOSH ヘルプ プラン一覧と料金
- MOSH ヘルプ 手数料について
- MOSH ヘルプ リマインドの設定
- MOSH ヘルプ Googleカレンダー連携
- Square 予約 料金プラン
- Square 料金プラン
- Google カレンダー ヘルプ 予約スケジュール
料金と仕様は改定されることがあるため、申し込み前に各公式ページで最新の記載をご確認ください。
最終更新: 2026-08-31/引用データは主に2026年8月時点(料金・機能は各社公式ページ、制度は国税庁の記帳・帳簿等の保存の案内)
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