初めて請求書を作るとき、多くの人が立ち止まるのは決まって3つの点です。「何を書けば正解なのか」「インボイスにどう対応するのか」「源泉徴収や消費税の金額欄をどう作るのか」。この記事では、このつまずきやすい3点を順番に解説していきます。
総務省統計局の調査では、本業がフリーランスの人は209万人にのぼり、有業者に占める割合は3.1%です(令和4年・就業構造基本調査)。実店舗を持たず人を雇わない自営業主や一人社長などを指します。
つまり「自分で1枚を正しく作る力」は、いまや独立して働く人の基本スキルだといえます。
同じ調査では、フリーランスを選んだ理由の上位が「自分の専門知識や技能をいかすため」32.5%でした。次いで「自分の都合のよい時間に働きたいため」29.5%と続きます。
出典:総務省統計局「統計Today No.197」(PDF)
年齢では45〜49歳が24.5万人と最も多く、専門性を軸に自分の裁量で働く人が中心の層だといえます。
この記事では、初めて請求書を作る個人事業主・フリーランスに向けて、必須項目からインボイス対応までを順に解説します。消費税・源泉徴収の書き方や送付のマナーも含め、専門用語はそのつど噛み砕いて説明します。
- 請求書に必ず入れる項目と、発行者名・宛名・金額欄の書き方
- インボイス(適格請求書)に必要な6つの記載事項と登録番号の書き方
- 消費税の区分と源泉徴収の計算・記載位置のしくみ
- 作成ツールの選び方と、送付・支払期日のマナー
それでは、まず請求書そのものの位置づけと、個人事業主に発行義務があるのかという疑問から確認していきましょう。
請求書とは?個人事業主に発行義務はある?
相談者請求書って、個人事業主でも必ず発行しないといけないものですか。



法律上の発行義務はありませんが、金額や入金の認識ずれを防ぐため、実務では発行するのが一般的です。
請求書とは、提供した商品やサービスの代金を取引先に請求するための書類です。「いくらを、いつまでに、どこへ振り込んでほしいか」を明確に伝える役割を持ちます。
結論からいうと、請求書の発行は法律で義務づけられた行為ではありません。口頭の合意や見積書だけでも取引自体は成立します。
それでも請求書を発行するのは、金額や支払期日をめぐる認識のずれを防ぎ、入金管理や帳簿付けの根拠を残すためです。請求書は「お金のやり取りを証拠として残す」ための実務上の必需品だと考えてください。
取引先の側でも、経理処理や税務上の証憑として請求書を求めるのが一般的です。とくに法人を相手にする場合、請求書がないと支払い手続きに進めないことも珍しくありません。発行義務はなくても、実務では「出すのが当たり前」と捉えておくのが安全です。
請求書の発行と保存には、もう一つ税務上の意味があります。やり取りした書類は、確定申告の際に売上を裏づける資料になります。後から「この入金は何の代金だったか」を確認するためにも、発行した請求書は控えを残しておきましょう。
なお、消費税の仕入税額控除との関係では、令和5年(2023年)10月に始まったインボイス制度によって請求書の役割が一段と重くなりました。この点はのちほど専用の章でくわしく扱います。まずは、どんな請求書にも共通する「基本の記載項目」から固めていきます。
請求書に必須の記載項目



決まった様式がないなら、何を書けば取引先に通じるのでしょうか。



発行者・宛名・取引内容・金額・振込先・支払期限などをテンプレート化し、毎回そこを埋めるのがおすすめです。
請求書に「これを書かないと無効」という法定様式はありません。ただし、取引先がスムーズに支払い処理を行うために、実務上ほぼ漏れなく入れる項目が決まっています。まずはこの基本項目をテンプレートとして固定し、毎回そこを埋めるだけで済む状態にするのが効率的です。
一般的な請求書に入れる項目は、次のとおりです。
- 書類のタイトル(「請求書」と明記)
- 発行者(自分)の氏名または屋号・住所・連絡先
- 請求先(取引先)の名称
- 請求書の発行日
- 請求書番号(任意・管理用)
- 取引内容(品目・数量・単価)
- 小計・消費税額・合計金額
- 振込先口座(銀行名・支店・口座種別・口座番号・名義)
- 支払期限
これらを上から順に配置すれば、相手が見たときに迷いません。以下では、とくに間違えやすい3か所を取り上げて補足します。
発行者と宛名の書き方
発行者の欄には、自分の氏名または屋号、住所、連絡先(メールアドレスや電話番号)を記載します。屋号で活動している場合でも、振込先口座の名義が本名であれば、口座名義との対応がわかるよう本名も併記しておくと親切です。
実際に、屋号と振込口座の名義が一致せず、取引先の経理から「名義を確認したい」と連絡が来て入金が遅れた経験があります。
宛名(請求先)は、取引先から指定された正式名称をそのまま使います。会社名の「株式会社」を前株か後株かまで含めて正確に書きましょう。
宛名のわずかな誤りでも、相手の経理で差し戻しの原因になりますので、初回は名刺や契約書で表記を確認してください。前株と後株を取り違えて差し戻された請求書を、筆者自身も何度か作り直しています。
担当者宛てに送る場合は「○○株式会社 △△部 □□様」のように、会社名には「御中」を付けず、個人名に「様」を付けます。会社全体に宛てるときは「○○株式会社 御中」とし、「御中」と「様」は併用しません。
金額欄(小計・消費税・合計)の作り方
金額欄は、請求書のなかで最も読み違いが起きやすい場所です。原則として、税抜の小計、消費税額、税込の合計を分けて記載します。この3段構成にしておくと、相手が消費税の処理をしやすくなります。
具体的には、まず品目ごとの「単価×数量」を積み上げて小計を出します。次にその小計に対する消費税額を計算し、最後に小計と消費税を足した合計を最も目立つ位置に置きます。合計金額は請求書の結論にあたるため、太字や大きめの文字で1か所だけ強調すると親切です。
端数処理(小数点以下の円をどう丸めるか)は、切り捨て・切り上げ・四捨五入のいずれかに統一します。法律で一律に決められているわけではないため、取引先と合わせておくと後の食い違いを防げます。
源泉徴収がある場合は、ここからさらに差し引いた「振込額」を示しますが、その計算方法は専用の章で説明します。
振込先と支払期限の注意点
振込先は、銀行名・支店名・預金種別(普通/当座)・口座番号・口座名義(カタカナ表記が無難)まで省略せずに書きます。情報が一つでも欠けると、相手が振込時に問い合わせる手間が生じます。
支払期限は、契約や取引先の締め支払いルールに合わせて記載します。多くの企業は「月末締め・翌月末払い」のように締め日と支払日を定めているため、初回はこの条件を確認しておきましょう。
期限を空欄にすると入金が後回しにされやすいので、合意した期日を具体的な日付で明記します。
振込手数料をどちらが負担するかも、トラブルになりやすい点です。慣行では振込側(取引先)負担が多いものの、契約で定めていない場合は事前にすり合わせてください。その場合は請求書の備考欄に「振込手数料は貴社にてご負担ください」などと一文添えます。
次は、いま個人事業主がもっとも迷いやすいインボイス(適格請求書)への対応です。
インボイス(適格請求書)に対応した書き方



インボイスに対応した請求書は、普通の請求書と何が違うのですか。



登録番号と、税率ごとに区分した対価・消費税額が加わります。発行できるのは登録した事業者だけです。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、令和5年(2023年)10月1日に始まった消費税の仕組みです。取引先(買い手)が支払った消費税を「仕入税額控除」として差し引くには、原則として「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になりました。
この適格請求書を発行できるのは、税務署に登録した「適格請求書発行事業者」だけです(国税庁 No.6498)。
つまり、自分が登録事業者かどうかで請求書の書き方が変わります。ここでは登録している場合の書き方を先に説明し、登録していない場合は次の章で扱います。
適格請求書に必要な6つの記載事項
国税庁は、適格請求書に記載すべき事項を次の6項目と定めています(No.6625・令和7年4月1日現在法令等)。通常の請求書の項目に、登録番号と税率まわりの情報が加わるイメージです。
- 書類作成者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価(または税抜対価)の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者(取引先)の氏名または名称
ポイントは、4と5にある「税率ごとに区分」という言葉です。標準税率と軽減税率の対価・消費税額を、それぞれ分けて記載する必要があります。1つの請求書に飲食料品などの軽減税率対象が混ざる場合は、税率ごとに小計を分けて書きます。
登録番号(T+13桁)の取得と記載
登録番号は、適格請求書発行事業者として登録すると通知されます。構成は、法人番号を持つ課税事業者なら「T+法人番号」、それ以外(個人事業主など)なら「T+13桁の数字」です(国税庁 No.6498)。
個人事業主の場合、この13桁はマイナンバー(個人番号)とは別物です。請求書には「T1234567890123」のように、Tに続けて13桁を記載します。発行者名のすぐ近く、氏名・屋号と並べて書くと、取引先が確認しやすくなります。
登録は任意ですが、登録すると課税事業者となり、消費税の申告・納税義務が生じます。
登録番号を載せる前に、自分が登録事業者になることのメリット・負担の両面を確認しておくことが大切です。判断に迷う場合は、所轄の税務署や税理士に相談するのが安全です。
登録事業者になるか迷ったときの判断の目安
登録するかどうかは、取引先と自分の事業規模の両面から考えると整理しやすくなります。次の観点を順に確認してみてください。
- 取引先が課税事業者中心か:相手が仕入税額控除を必要とするなら、登録を求められやすい
- 取引先が消費者・免税事業者中心か:控除が不要なため、登録の必要性は下がりやすい
- 自分が課税事業者か免税事業者か:免税事業者は登録で納税義務が新たに生じる
取引先が控除を必要とするかどうかが、登録判断の最初の分かれ目になります。最終的な損得は取扱品目や売上規模で変わるため、税務署や税理士への相談とあわせて判断しましょう。
通常の請求書と適格請求書は何が違うのか
通常の請求書と適格請求書の違いは、追加される情報にあります。骨格は同じで、そこに「登録番号」「適用税率」「税率ごとの消費税額」が加わると考えるとわかりやすいでしょう。
主な違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 通常の請求書 | 適格請求書(インボイス) |
|---|---|---|
| 登録番号 | 不要 | 必要(T+13桁) |
| 適用税率の明示 | 任意 | 必要(税率ごとに区分) |
| 税率ごとの消費税額 | 任意 | 必要 |
| 発行できる人 | 制限なし | 登録した発行事業者のみ |
この表のとおり、適格請求書は「誰が発行したか(登録番号)」と「どの税率でいくらか」を明確にする書類です。取引先が消費税の控除を受けるための根拠になるため、登録事業者は記載漏れに注意しましょう。
それでは、登録していない場合はどう書けばよいのか、次の消費税・源泉徴収の章とあわせて具体的に見ていきます。
消費税・源泉徴収の書き方



消費税と源泉徴収があると、請求額と振込額がずれて混乱します。



消費税は請求額に上乗せ、源泉徴収は請求額から差し引きと向きが逆です。最後に振込額を明記すると伝わります。
金額欄でつまずきやすいのが、消費税の区分と源泉徴収です。どちらも「請求額」と「実際に振り込まれる額」がずれる原因になります。
消費税は請求額に上乗せするもの、源泉徴収は請求額から差し引かれるものと、向きが逆である点をまず押さえましょう。
なお、インボイス登録をしていない免税事業者でも、消費税相当額を請求すること自体は禁止されていません。ただし登録番号がないため適格請求書は発行できず、その点を踏まえた書き方が必要です。以下で順に整理します。
消費税と軽減税率の分け方
消費税には、標準税率10%と、飲食料品などに適用される軽減税率8%の2種類があります(国税庁 No.6303)。1枚の請求書に両方の対象が混ざる場合は、税率ごとに分けて記載します。
たとえば、標準税率対象の業務委託料と軽減税率対象の飲食料品を同時に請求するなら、次のように小計を分けます。
- 標準税率対象の小計と、その消費税額
- 軽減税率対象の小計と、その消費税額
- 両者を合算した合計金額
適格請求書では、この「税率ごとの区分」が必須記載事項に含まれます(国税庁 No.6625)。軽減税率の対象品目には「※は軽減税率対象」などと印を付け、税率を取り違えないようにするのが実務上の定番です。
多くの個人事業主はサービス提供が中心で標準税率のみのことが多いですが、物販を兼ねる場合は区分を忘れないようにしましょう。
源泉徴収される報酬とその記載
源泉徴収とは、報酬を支払う側(取引先)が、あらかじめ所得税などを差し引いて国に納める仕組みです。原稿料・講演料・デザイン料など特定の報酬を個人に支払うとき、支払者が所得税および復興特別所得税を源泉徴収します(国税庁 No.2795)。
対象となる主な報酬には、次のようなものがあります(国税庁 No.2795・No.2792)。
- 原稿料、挿絵、写真、作曲、デザインなどの報酬
- 講演料、放送謝金など
- 弁護士・税理士など特定の資格者への報酬
自分の仕事がこれらに当てはまるかどうかで、源泉徴収の有無が変わります。当てはまらない一般的な業務委託では、源泉徴収されないこともあります。
源泉徴収されるかどうかは報酬の種類で決まるため、迷うときは取引先の経理に確認するのが確実です。なお士業報酬は計算ルールが一部異なる場合があり、たとえば司法書士は支払金額から1万円を控除して計算します(国税庁 No.2801)。
源泉徴収税額の計算と記載位置
源泉徴収の税率は、1回に支払う金額によって決まります。国税庁 No.2795によると、支払金額が100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%です。
100万円超の場合は「(支払金額−100万円)×20.42%+102,100円」で計算します。
たとえば、原稿料が10万円(税抜)の場合、源泉徴収税額は次のように求めます。源泉は税抜額を基準に計算します。
- 源泉徴収税額:100,000円(税抜)× 10.21% = 10,210円
請求書では、この源泉徴収税額を合計金額から差し引いた「お振込額」を示します。記載の流れは次のとおりです(消費税は参考として標準税率で計算した例です)。
| 項目 | 金額の例 |
|---|---|
| 小計(税抜) | 100,000円 |
| 消費税(参考・10%) | 10,000円 |
| 源泉徴収税額(税抜10万円基準) | △10,210円 |
| お振込額 | 99,790円 |
このように、消費税を加えたうえで源泉徴収税額を引くのが基本の並びです。源泉徴収の対象を消費税込みにするか税抜にするかは扱いが分かれます。
ただし消費税額が請求書で明確に区分されていれば、税抜金額を基準に計算してよいとされる場合があります。迷うときは取引先や所轄の税務署に確認してください。振込額が請求総額より少なくなる理由は、この源泉徴収にあると覚えておきましょう。
なお、ここで示した税率や計算は記事作成時点の制度に基づくものです。実際の処理は最新の国税庁情報や所轄の税務署で確認してください。続いて、こうした請求書を実際に作るための方法です。
請求書の作り方(テンプレ・ツールの選び方)



請求書はどの方法で作るのが自分に合っているか迷います。



取引が少なければ無料テンプレート、発行が増えてきたらインボイス対応のクラウドサービスが目安です。
請求書の中身がわかったら、次は作成方法です。作り方は大きく3つに分かれます。それぞれ手間とミスの起きにくさが違うため、自分の取引量に合わせて選びましょう。
おもな作成方法を比較すると、次のようになります。
| 作成方法 | 向いている人 | 特徴 |
|---|---|---|
| 表計算ソフトのテンプレート | 取引が少なく費用を抑えたい人 | 無料で始められるが計算式や控え管理は自分で管理 |
| Word/PDFの雛形 | 数件を体裁よく送りたい人 | 見た目を整えやすいが集計や再利用はしにくい |
| クラウド請求書サービス | 取引が増えてきた人 | 計算・控え保存・インボイス対応が自動化されやすい |
最初の1枚なら、表計算ソフトの無料テンプレートでも十分です。一方、毎月の発行枚数が増えてくると、計算ミスや控えの管理が負担になります。取引が安定して増えてきたら、税率区分や登録番号に対応したツールへの切り替えを検討すると、ミスと手間を同時に減らせます。
クラウドサービスを選ぶ際は、適格請求書のフォーマット(登録番号欄・税率ごとの区分)に対応しているかを確認しましょう。なお、各サービスの機能や料金はベンダーの案内によるものなので、導入前に公式情報で最新の内容をご確認ください。
作成手段にかかわらず、完成した請求書は控え(PDFや印刷)を残しておきましょう。発行した請求書は売上の根拠になり、確定申告の場面でも見返すことがあります。
金額の出し方や項目の考え方は、見積書の作成と共通する部分が多いので、見積書まわりの考え方とあわせて整理しておくと理解が深まります。
送り方と支払期日のマナー



請求書はメールで送ってもよいのか、押印は必要なのか気になります。



PDFメール送付が一般的ですが、紙や押印を求める取引先もあるため、初回に経理ルールを確認すると安心です。
請求書は、作って終わりではありません。相手に失礼なく届き、期日どおりに入金されてはじめて役割を果たします。送付手段と支払期日の伝え方は、入金の早さにも信頼にも直結するため、最後まで丁寧に仕上げましょう。
ここでは、送付方法の選び方と、添える書類・ファイル名のマナーを整理します。
PDFで送るか郵送するか
近年は、請求書をPDFにしてメールで送るのが一般的になっています。郵送に比べて早く届き、印刷や郵送のコストもかかりません。取引先がPDFでの受領を認めている場合は、PDF送付がもっとも効率的です。
一方で、取引先によっては紙の原本や押印を求めるところもあります。送付方法は自己判断で決めず、初回に相手の経理ルールを確認しましょう。
押印は法律上の必須事項ではないものの、商習慣として押印を求められることはあるため、必要なら電子印影を用意しておきます。筆者の場合も、PDFで送ったあとに経理から押印入りの再送を求められたことが何度かあり、最初から電子印影を用意しておくと手戻りが減りました。
PDFで送る場合は、相手が編集できない形式(PDF)で保存し、本文にも請求書である旨と金額・支払期日を簡潔に書き添えると親切です。再送や訂正が必要になったときは、古いファイルと混同しないよう、改訂版とわかる名前を付け直します。
送付状とファイル名のつけ方
メールや郵送で請求書を送るときは、送付状(添え状)を付けると印象が良くなります。送付状には、あいさつ、送付書類の名称と枚数、簡単な依頼文を記します。形式ばらず、数行で十分です。
ファイル名は、相手が後から探しやすいように一定のルールで付けます。たとえば「請求書_発行日_自分の屋号」のように、内容と日付がひと目でわかる形がおすすめです。日付や宛先を含めたファイル名にすると、相手の経理での管理ミスを防げます。
送るタイミングは、取引先の締め日に間に合うように調整します。締め日を過ぎると支払いが翌月以降に回ることがあるため、締め支払いのサイクルを把握しておきましょう。
請求書の発行は、独立して仕事を進めるうえでの基本動作です。開業まわりの全体像とあわせて押さえておくと、実務の流れがつかみやすくなります。
よくある質問
- 請求書に印鑑(押印)は必須ですか。
-
押印は法律上の必須事項ではありません。ただし商習慣として求められる取引先もあるため、必要に応じて電子印影を用意しておくとスムーズです。送付前に相手の経理ルールを確認すると安心です。
- 請求書はいつまで保管すればよいですか。
-
発行した請求書の控えは、売上を裏づける帳簿書類として一定期間の保存が求められます。保存期間は事業者の区分や制度によって異なるため、最新の国税庁情報や所轄の税務署で確認してください。控えはPDFや印刷で必ず残しましょう。
- 免税事業者でも請求書に消費税を記載してよいですか。
-
消費税相当額を請求すること自体は禁止されていません。ただし登録番号がないため適格請求書(インボイス)は発行できず、取引先が仕入税額控除を受けられない点を踏まえた書き方が必要です。
- 請求書を間違えて送ってしまった場合はどうすればよいですか。
-
速やかに訂正版を作成し、古いファイルと混同しないよう改訂版とわかる名前を付けて送り直します。あわせて取引先に経緯を一言伝え、どちらが最新版かを明確にしておくと、経理での取り違えを防げます。
- 請求書番号は必ず付ける必要がありますか。
-
請求書番号は必須項目ではありません。ただし発行枚数が増えると、番号を付けておくことで自分の控え管理や、取引先からの問い合わせ対応がしやすくなります。連番など一定のルールで付けるのがおすすめです。
まとめ
- ✓ 基本項目はテンプレ化:発行者・宛名・取引内容・金額・振込先・支払期限を固定し、毎回埋めるだけの状態にする
- ✓ インボイスは登録番号と税率区分:適格請求書は登録番号と、税率ごとに区分した対価・消費税額が必要。発行できるのは登録事業者のみ
- ✓ 消費税は上乗せ・源泉は差し引き:消費税は請求額に加え、源泉徴収は差し引く。最後に「お振込額」を明記して振込額のずれを防ぐ
- ✓ 送付と期日のマナーで信頼を確保:PDFメールが主流だが相手の経理ルールを確認。締め日に間に合うよう送り、控えは必ず残す
ここまでで、1枚を作るための材料はそろいました。最後に、これからの進め方を整理します。
まずは基本の記載項目をテンプレート化し、毎回そこを埋めるだけで済む状態にします。次に、自分が登録事業者になるかどうかを判断し、インボイスの書き方を決めます。源泉徴収の対象になる報酬なら、振込額がどのように決まるかも確認しておきましょう。
税率や源泉徴収の扱いは制度改正で変わることがあります。最終的な処理は、最新の国税庁情報や所轄の税務署で確認しながら、安心して取引を進めてください。
参考文献・出典
本記事の数値・制度の説明は、次の一次情報に基づいています。
- 総務省統計局「統計Today No.197 基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方」(PDF)
- 国税庁 タックスアンサー No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)
- 国税庁 タックスアンサー No.6625 適格請求書等の記載事項
- 国税庁 タックスアンサー No.6303 消費税および地方消費税の税率
- 国税庁 タックスアンサー No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
- 国税庁 タックスアンサー No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき
- 国税庁 タックスアンサー No.2801 司法書士等に支払う報酬・料金
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